
クラシックホテルの会の一つでもある、100年以上の歴史を誇る奈良ホテルの本館と新館の違いについて調べてみました!
それぞれの違いを項目別に4つに分けて比較しています。
この記事は以下の方におすすめです。
奈良のクラシックホテル・奈良ホテルとは

項目 | 奈良ホテル |
---|---|
所在地 | 奈良県奈良市高畑町1096 |
電話番号 | 0742‑26‑3300 |
チェックイン | 15:00 |
チェックアウト | 11:00 |
アクセス | 近鉄奈良駅から車で5分、JR奈良駅から車で8分 |
駐車場 | あり100台 |
奈良ホテルは、明治42年(1909年)に開業した、奈良県奈良市にある由緒あるクラシックホテルです。
これまでに国内外の多くの著名人が滞在しており、「関西の迎賓館」としても知られています。
奈良に来たら一度はみんな訪れる有名な観光名所・奈良公園のすぐそばという絶好のロケーションで、春日大社や東大寺、興福寺といった歴史的な名所へのアクセスも抜群です。

私も泊まった時、徒歩でコンパクトに周辺の社寺や商店街を観光できて、立地最高だなと思いました。
本館は桃山御殿風の檜造りで、設計は東京駅も手掛けた辰野金吾。

建築に興味がなくても教科書やテレビなどで一度は耳にしたことがある人ではないでしょうか。
何度か改修工事や客室のリニューアルを行なっていますが、館内は木の温もりとレトロな装飾が、まるで明治・大正時代にタイムスリップしたかのような雰囲気を演出しています。
なお、2026年1月4日(日)~2026年5月下旬で全館休業で大規模リニューアルを行う予定となっていますので、泊まろうか悩んでいる方はお早めにどうぞ。

完全な私見ですが、クラシックホテルに限らずかもしれませんが、リニューアル後、ファンの方が殺到したり、客室の設備アップグレードなどで価格が跳ね上がることが多いように感じます。
ので、リーズナブルに泊まれるのは今が最後かもしれません。
館内には、和洋レストラン、ティーラウンジ、バー、ギフトショップなどがあり、ホテルステイをゆったりと楽しめる環境が整っています。

観光の拠点としてはもちろん、特別な記念日やゆったりとした大人の滞在にもぴったりのホテルです。
奈良の歴史とともに過ごす、上質な時間を味わえる場所、それが奈良ホテルです。
奈良ホテルも加盟している、日本クラシックホテルの会のその他のホテルや、スタンプを集めてランチ無料や宿泊無料がゲットできる「クラシックホテルパスポート」について書いた記事はこちらからどうぞ!
奈良ホテル|本館と新館の違い5選

奈良ホテルに宿泊する際に多くの方が迷うのが「本館に泊まるか、新館に泊まるか」。

私も悩みました〜。
それぞれに魅力があり、滞在スタイルや目的によっておすすめが変わります。
違い①建築と歴史

一番の大きな違いはやはり建てられた年代が大きく違う点でしょう。
特に建築と歴史の面では、本館は明治の空気感を色濃く残す存在。
先述したように、本館は1909年に東京駅を手がけた辰野金吾の設計により建てられ、桃山御殿風の檜造りが特徴です。

何度か改修工事が行われていますが、高い天井や漆塗りの柱、アンティークな照明や暖炉など、当時の職人技がそのまま息づいています。
もちろん、レストランやショップ、受付などで十分体験することは可能ですが、せっかくならそんな歴史あるお部屋で眠りたい!という方も多いでしょう。
昭和天皇やチャールズ皇太子、オードリー・ヘプバーンら国内外の要人や著名人が宿泊したことでも知られており、明治期からの歴史や、“関西の迎賓館”としての風格を終始感じることができるのは本館ならではの魅力です。
著名人の泊まったお部屋を調べてみたのですが、オードリーヘップバーンしか分からずでした。
一方の新館は、「株式会社奈良ホテル」になって翌年の1984年に建てられた鉄筋コンクリート造りで、かなりグレードの高いところを狙って建てられたという、豪華な造りで、現代的な設備と快適性が魅力です。
総工費は24億円(!)と、客室65室の増築工事としては極めて高額だそう。

本館と新館の築年差は半世紀以上もの差があります。
内装も凝っていて、吉野杉を用いたり、本館との親和性を高めるべく、マントルピースの造作を設置したりと、奈良らしさやデザイン性も大事にしながら、高級感も感じられる作りになっています。
歴史的価値と非日常感を味わいたいなら本館、落ち着いたデザインの中で過ごしたいなら新館がおすすめです。
また、本館は階段のみで、新館にはエレベーターがついていますので、バリアフリーが必要な方は、距離はありますが新館がおすすめです。
違い②客室の種類と設備

建物 | 客室カテゴリ | 客室タイプ例 | 広さ目安 | 定員 |
---|---|---|---|---|
本館 | スイート・デラックス | インペリアルスイート、デラックス クラシック | 87㎡、43.7㎡等 | 1~2名(最大4名) |
デラックス | ガーデンビュー、コンフォート・ワイド/コーナー、モダン、トラディション等 | 約30~51㎡ | 1~4名 | |
スタンダード | スタンダードツイン、スタンダードダブル | 約21.8~27.3㎡ | 1~3名 | |
新館 | スイート | ロイヤルスイート、クラウンスイート | 65.5~127.3㎡ | 1~2名 |
和室 | 和室(6~10畳+次の間) | 47.4㎡、58㎡ | 1~4名 | |
スタンダード | スタンダードツイン、スタンダードダブル | 23~33㎡ | 1~3名 |
本館と新館それぞれ、たくさんの種類の客室があります。
本館の客室は、明治の面影を色濃く残したクラシカルな設えで、特にデラックス以上のお部屋は高級感もたっぷり。

標準的なツインのお部屋でも、ややコンパクトな造りながら、アンティーク家具や創業当時からある暖炉など、非日常を感じられる趣のある空間が魅力です。
内装はクラシカルですが、水回りは2017年から2019年の大規模改修の際にリニューアルされているそうで、なんなら新館よりもこちらの方が新しいかも。
歴史好きや記念日利用の方には、特におすすめです!
一方の新館は、広々としたレイアウトが特徴で、スタンダードルームでも33㎡以上のゆとりがあります。
内装は落ち着いたトーンで統一されており、快適性と実用性を重視した造りです。

私も以前宿泊したときは新館に泊まりましたが、1980年代と言っても古さはあまり感じず、高級感のあるお部屋で気持ちよく過ごせました。
(さすが総工費24億円!笑)
新館には、4名で泊まれる和室や、コネクティングルームもあるので、最大6名で泊まることもできます!
本館は夫婦やカップルなど静かにホテル全体の雰囲気を楽しみたい方、新館はグループや家族などリラックスして泊まりたい方におすすめです。
それぞれの宿泊スタイルに合わせて選ぶとよいと思います◎
それぞれのお部屋の写真はこちらからご覧ください。

写真や間取りを見る限りですが、個人的には本館のスタンダードに泊まるなら、広さや高級感の面で新館のスタンダードツインの方が満足度高そうだなと思いました。
私としては、せっかくのマントルピースの上にテレビが設置されているのがどうしても残念な感じ…。
どうしても本館に泊まりたい&高級感を感じたいならデラックス以上のお部屋に泊まらないと物足りないかもしれません。
奈良ホテル|パークサイド・タウンサイドの違い

ちなみに、本館には同じスタンダードツインでも、「パークサイド」と「タウンサイド」というお部屋があります。

パークサイドとはその名の通り奈良公園側で、より「奈良らしい風景」を求めるならパークサイドがおすすめ。
お部屋によっては鹿や五重塔の先端、季節の移ろいを感じる自然が楽しめるそうです。
一方、本館のタウンサイドは中庭側ではありますが、駐車場や木が見える程度でそこまで見どころはないようです。
新館は全てタウンサイドになりますが、本館のタウンサイドとは異なり、窓一面緑に囲まれていてこっちがパークサイド?と思うほどです。
違い③料金とコスパ

料金とコスパについては、本館と新館で少しですが差があり、やはり全体的に本館の方が高めです。
本館は、文化財級の建物に宿泊できるという特別な価値がやはり大きいのでしょう。

ただし、お部屋や時期にもよりますが、差は数千円程度からとさほど大きくはないので、クラシックな内装や歴史的建築の趣、格式ある雰囲気を楽しみたいという人にとっては、差額を出す価値があるはず。
特に記念日や特別な旅行では、本館の雰囲気が思い出に深みを加えてくれそうです。
逆に、新館は広さや設備の面で比べると料金は比較的リーズナブルだと思います。
新館のお部屋にも暖炉や室内の装飾はしっかり施してあり、高級感の感じる室内。

奈良ホテルに泊まるという目的を叶えつつ、予算を抑えたい場合は、新館がおすすめ。
まとめると、コスパよりも非日常と特別感を感じて奈良ホテルを思う存分楽しみたいなら本館、奈良ホテルには泊まりつつ費用対効果を重視するなら新館というところでしょうか。
実際のプランはこちらから見れます。
違い④禁煙

4つ目の違いはお部屋の禁煙です。
基本的には禁煙ルームになりますが、新館には一部喫煙ルームもあります。
お部屋でタバコを吸いたい方は新館の喫煙ルームがおすすめです。

私もやらかしたことがあるのですが、禁煙の方は間違えて喫煙ルームを選ばないように注意してくださいね!
奈良ホテル|新館スタンダードツインに泊まった感想

ここからは、奈良ホテルに泊まった時の感想を書いていきます!
泊まったのはもうかれこれ2年前、2023年の夏です。

この時の写真は、せっかく一眼でたくさん撮ったのに、なぜだか全て消えてしまっていて何も残っていないのでサイトのものを拝借します。(涙)
新館スタンダードツインのお部屋の感想
泊まったのは新館のスタンダードツイン、夕朝食付きプラン。
金土の宿泊で、2人で63,000円でした。

お部屋は、本館のレストランやロビーに漂う重厚な歴史やロマンこそありませんでしたが、築30年以上とは思えない上質な高級感と落ち着いた居心地の良さがありました。
大きな窓からは緑が一面に見え、癒し効果も抜群。
バストイレは一緒でしたが、ビジネスホテルのようなぎゅうぎゅう感はなく、ゆったりとした作りでストレスはありませんでした。
静かで洗練された大人な空間で、快適さを重視する旅にもぴったりでした。
奈良ホテル|スタンダードツインとハリウッドツインの違い

ちなみになのですが…、スタンダードツインに泊まったと思っていたのですが、予約画面を見返すと「ハリウッドツイン」と書いてあり、ん?となり調べてみました。

奈良ホテルの公式には「ハリウッドツイン」という名前のお部屋はありません。
どうやらベッドの設置の仕方の違いのようで、どちらも「シングルもしくはセミダブルのベッドを2台並べる=ツイン」なのですが、「間を空ける=スタンダードツイン」か「間を埋める=ハリウッドツイン」かの違いのようです。
お部屋の広さやグレードも同じようです。
奈良ホテル・メインダイニングルーム三笠でのディナーコース

夕食は、本館のメインダイニングルーム「三笠」でフレンチのフルコースをいただきました。
もちろんここでの写真も一切残っていないのですが、和洋折衷の和寄りの素晴らしい空間でいただくフレンチは格別でよく覚えています。
ソムリエの方が給仕もしてくださったのですが、ワインの小話などしていただき、とても楽しく過ごすことができました。
もちろん、味も最高だったのですが、やはり空間の雰囲気やスタッフの方の心遣いって記憶に残るものなんだな、すごいなと思います。
奈良ホテル・ティーラウンジ

そして、今回は早めにチェックインしてどうしても行きたかったティーラウンジにも行きました!
元々は外だったベランダが昭和42年にロビーに拡張され、昭和58年に再度ティーラウンジに改造されたという空間。

めちゃくちゃおしゃれじゃないですか!?
暑い日に外の緑を眺めながら、涼しい落ち着いたラウンジで楽しむケーキと紅茶。
最高のひとときでした。
まとめ|奈良ホテル本館・新館の違いと賢い選び方

目的・重視ポイント | 本館 | 新館 |
---|---|---|
歴史・趣きを楽しみたい | 明治・大正期の本館で、非日常感を満喫 | — |
広い部屋で快適に滞在したい | デラックス以上なら広々・高級感と歴史あり | 広々・高級感あり |
アクセスや館内移動重視 | フロント・飲食施設まで近く、移動が楽だが、エレベーターなし | 本館まで歩くが、エレベーター完備、新館にもレストランはあり |
喫煙したい・喫煙室希望 | 全室禁煙 | 喫煙ルームあり |
コスパ重視 | 記念日など特別な時に。高価格帯 | 高級感のあるスタンダードルームでお得に奈良ホテルに泊まれる |
ざっくりですが、一覧にまとめてみました。
奈良ホテルの本館と新館には、それぞれ異なる魅力があり、どちらを選ぶかは旅の目的や過ごし方によって変わります。

本館には、明治創業の趣や重厚な建築美、歴史に触れられる特別な空気感があり、非日常を体験したい方にぴったり。
一方、新館はゆったりとした造りと、現代的なホテルとしての安心感と利便性、コスパの良さが魅力です。
この記事を通じて、本館と新館の違いを知ることで、ご自身に合った滞在スタイルを見つける一助になれば幸いです。
奈良という歴史ある街に寄り添うように佇む奈良ホテルで、心に残る素敵なひとときをお過ごしください!
奈良ホテルも加盟している、日本クラシックホテルの会のその他のホテルや、スタンプを集めてランチ無料や宿泊無料がゲットできる「クラシックホテルパスポート」について書いた記事はこちらからどうぞ!
コメント